美容成分ナイアシンアミドとは?
美容効果があるとして注目を集めるナイアシンアミドですが、具体的にどんな効果があるのでしょうか? 詳しく解説していきます。
ナイアシンアミドとは
ナイアシンアミドは、ビタミンB3の一種で別名「ニコチン酸アミド」と呼ばれる水溶性ビタミンです。魚、豆、肉、穀物などいろいろな食べ物に含まれている成分で、食事から摂取することが可能です。また肌に塗布することができるため、スキンケア製品にも広く使われています。
ナイアシンアミドの効果
紫外線の予防
肌老化の約80%が紫外線のダメージによると言われ、紫外線によって肌は大きなダメージを受けます。ナイアシンアミドは、紫外線によるDNA損傷の修復をサポートして、健やかな肌を維持することができます。
抗酸化作用
紫外線は、DNAやタンパク質、細胞などにダメージを与え、肌老化を引き起こす活性酸素を生成します。そして活性酸素による肌の酸化は、シミ、シワなどの老化を加速させます。ナイアシンアミドは、活性酸素の生成を除去し細胞へのダメージを軽減する抗酸化作用の働きがあります。
メラニン生成の抑制
紫外線や外的刺激によりダメージを受けることで、メラノサイトという細胞がメラニン色素を生成します。生成されたメラノサイトが、肌の表皮にメラニン色素を引き渡しますが、ナイアシンアミドは、角質細胞にメラノサイトが移動するプロセスを抑制しメラニンの生成を抑えます。
肌荒れの抑制
肌のうるおいを保つセラミド生成をサポートし、バリア機能を修復することで肌荒れを防ぎます。セラミドは肌のうるおいを逃がさず保つと同時に、外的刺激から守ってくれるバリア機能を果たしています。ナイアシンアミドによりセラミドを合成することで、肌のバリア機能を改善し、肌荒れの予防につながります。
ニキビ予防
ナイアシンアミドは、肌の水分と油分のバランスを整える作用があり、皮脂を抑制しテカリをコントロールする効果があります。過剰な皮脂分泌によるニキビや吹き出物などの肌トラブルを防ぎます。
ナイアシンアミド医薬部外品の有効成分
ナイアシンアミドは、「肌荒れ」「シワ改善」「美白*」の3つの有効成分として、厚生労働省から医薬部外品の承認を受けている化粧品成分です。
*メラニンの生成を抑えシミ・そばかすを防ぐ
保湿効果
セラミドなどの細胞間脂質の産生を促し、角質層をセラミドが満たすことで、外的刺激をはねかえすバリア機能が働きます。また、肌が水分を保つ力も高まり、乾燥や肌荒れをおこしにくくなります。
美白効果
紫外線を浴びると、肌内部のメラノサイトが活性化され、シミやソバカスの原因となるメラニン色素が生成されます。それが色素沈着やシミ・そばかすを作る原因です。ナイアシンアミドは、メラニンの過剰生成を抑える働きと、メラニンを肌表面へ輸送するメラノソームの働きを阻害し、シミや色素沈着を防ぎます。
シワの予防・改善
年齢とともにコラーゲンが減少するとシワの原因になります。ナイアシンアミドが、セラミドの生成と減少したコラーゲンの生成を促すことで肌のうるおいもアップします。ハリのある肌に導くことでシワの予防や改善につなげます。
「医薬部外品」と「化粧品」の効果の違い
化粧品に含まれる、ナイアシンアミドの濃度は「医薬部外品」と「一般化粧品」の区分によって異なります。「医薬部外品」であれば、一定濃度のナイアシンアミドが有効成分として配合されているので、肌への効果が期待できます。一方で、「一般化粧品」には、配合する分量の規定がないため有効成分として記載することはできません。また、化粧品に含まれている成分全体で皮膚を健やかに保つため、人体に対する作用が緩やかです。
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ナイアシンアミド配合アイテムの使い方
ナイアシンアミドは、一般的に刺激も少なく穏やかに作用するので敏感肌の方でも使え、肌質を問わず取り入れやすい成分です。水に溶けやすい性質を活かして化粧水や乳液、美容液、クリームなどのさまざまなアイテムに配合されています。自分にあった使用感や肌悩みにあわせたスキンケアを取り入れるのがおすすめです。
エイジングケアに取り入れる場合
エイジングケアに取り入れるなら朝晩のケアが◎。朝は日中のダメージから肌を守り、夜は、寝ている間に成長ホルモンが分泌され、昼間の肌ダメージを回復します。アイテム別として、顔全体には化粧水を。目もと口もとの悩みなら、とろみのある美容液が塗りやすくておすすめ。乾燥が気になる時や、ナイトスキンケアなら、油分を含んだクリームタイプを使用するとナイアシンアミドの効果を逃がさず顔全体のケアができます。
他のアイテムの成分と合わせて使う場合
ナイアシンアミドの効果をより実感したい場合は、使用する目的に応じて他の成分と併用するのが良いでしょう。たとえば、美白*効果を期待したい時は、トラネキサム酸。シワを改善したい時はレチノール。他の成分を併用すれば、相乗効果でより高い効果が狙えます。
*メラニンの生成を抑えシミ・そばかすを防ぐ
ナイアシンアミド配合のアイテムを使う時の注意点
刺激が少ないと言われているナイアシンアミドですが、配合量が多くなると効果が高い分、人によっては刺激になることもあります。刺激を感じた場合は、ナイアシンアミドの濃度が高いのかもしれません。また高濃度ビタミンCと併用する場合、どちらも皮脂抑制の働きがあるので、乾燥トラブルを起こす可能性も。初めて使う場合は、少量から使用して肌に合っているかを確認しましょう。
ナイアシンアミドの効果を感じるまでの期間はどれくらい
肌に変化が現れ、効果を感じるまでに2週間ほど必要です。また、美白*やシワ改善に期待できるのは1ヶ月~3ヶ月ほど経過してからです。肌が生まれ変わるターンオーバーも関係し、そのサイクルは、20代で約28日。年齢を重ねるとターンオーバーの周期が長くなり、40代で約45日必要と言われています。つまり新しいスキンケア商品は、使い始めから約1ヶ月、長ければ1ヶ月半ほど使い続けなければ、肌への効果を感じられないのです。
*メラニンの生成を抑えシミ・そばかすを防ぐ